併用レジメン遵守で、より高い効果が得られる可能性あり
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA:Obstructive Sleep Apnea)の肥満患者に対する持続陽圧呼吸療法(CPAP:Continuous Positive Airway Pressure)と減量介入の併用による効果について、電子版「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM:The New England Journal of Medicine)」に6月12日、研究報告が掲載された。

画像はwikiメディアより引用
CRP、インスリン抵抗性、血清TG、血圧の低下
米ペンシルベニア大学のフリオ・A・キリノス氏(Julio A. Chirinos, M.D., Ph.D.)らによる研究(治験登録番号:NCT0371293)では、肥満かつ中等度~重度の閉塞性睡眠時無呼吸であり、血清C反応性タンパク(CRP:C-reactive protein)値が1.0mg/L超の181例が、減量介入群、CPAP群、CPAPと減量介入の併用群にランダム化された。
3群とも24週間治療が行われた後、CRP(主要エンドポイント)/インスリン抵抗性/脂質/血圧の測定により、併用療法の有効性について比較評価が行われた。
評価の結果、CPAPと減量介入の併用群と減量単独群では、CRP、インスリン抵抗性、血清トリグリセリドが低下したが、両群間で有意差はみられなかった。また、血圧低下については3群全てで確認されたという。
90例のパープロトコル解析では、併用群の収縮期血圧と平均動脈圧の方が、減量単独群とCPAP単独群のいずれよりも低下の度合いが高かった。
減量単独群およびCPAP単独群を上回るレベルのCRP低下はみられなかったが、血圧低下については、減量とCPAP併用レジメンの遵守で、単独群より高い増分効果が得られる可能性が示唆されたとしている。(本田 基)
▼外部リンク
・CPAP, Weight Loss, or Both for Obstructive Sleep Apnea