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東洋大 Kinectを活用した側弯症計測システムを開発

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2014年05月07日 PM05:00

側弯症の計測に体感型のゲームシステムを導入

東洋大学は4月9日、同大理工学部生体医工学科の寺田信幸教授らの研究グループが、3Dカメラ「Kinect(米マイクロソフト社)」を活用した「側弯症計測システム」を開発したと発表した。

すでにこの技術を用いた製品の商品化、製造・販売による技術の普及と医療貢献を目的として、エーアンドエー株式会社と実施許諾契約書を締結している。


(画像はwikiメディアより引用)

同システムは、3Dカメラ(Kinect for Windows センサー)、組み込みOSを利用した解析PC、被験者の位置決めを容易にする基準プレートの3点からなっている。

操作は、PCを専用機とし、電源を入れて撮影ボタンを押すだけである。簡単な操作で計測から解析までをこなすことができるため、商品化が可能となったという。

またKinectは、コントローラを用いずに操作ができる体感型のゲームシステムで、ジェスチャーや音声認識によって、直観的で自然なプレイが可能な機器。基準プレートの前に立つ患者の背中に赤外レーザーを照射し、画像データから隆起度合いなどを解析、リアルタイムで診断ができる。

早期発見が側弯症の重症化を防ぐ

側弯症の多くは学童期の後半から思春期に発生するとされており、痛みなどの自覚症状がないため、発見が遅れてしまうことも多い。

学校保健法で検査項目の1つとなっているが、主に目視で検査を行っているため、主観による検査結果のばらつきや検査時間が長いといった問題があった。

目視以外には、X線で背骨の曲がり具合を測定する、モアレ画像法で体の隆起を測定するなどの手法があるが、計測装置が高価であることや被ばくの危険性において、検診とその数値化には不向きであった。

そのため、定量的に計測でき、しかも再現性が高く、安価で小型・軽量な計測システムの開発が求められていた。側弯症は、弯曲が進行する前に発見し、重症化を防ぐことにより、手術による矯正も不要となることが多い。

操作方法の簡素化、検査時間の短縮、低価格により、同システムの商品化と広範囲での普及が実現し、重症化する患者が減少していくことが期待される。(白井蓮)

▼外部リンク

東洋大学 プレスリリース
http://www.toyo.ac.jp/uploaded/attachment/11775.pdf

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