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ノバルティス ファーマ「ボルタレン」坐薬に針状金属が混入 人為的混入と届出

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2014年04月15日 PM04:30

埼玉県内の警察に届け出

ファーマ株式会社は4月14日、同社が製造販売する鎮痛・解熱・抗炎症薬「(R)サポ(R)50mg」()に「針状の金属が刺さっているもの」が発見されたと発表した。これまでの調査から、同社は今回の混入は人為的なものである可能性が高いと判断。同12日、埼玉県内の警察署に届け出を提出し、現在、警察が捜査を行っているという。

異常品は目視による異常の確認が可能で、現在までに同様の報告はない。また限定的な現象であるため現時点では、製品の回収措置をとる予定はないとしている。

(画像はプレスリリースより)

子会社工場の製造工程などを精査

ノバルティス ファーマによると4月9日、埼玉県内の保険薬局に持ち込まれた異常品の中に、アルミシートの外部から針状の金属が刺されたと思われるボルタレンサポの坐薬があったという。

同社はこれらを回収し、現品および同社の子会社である日本チバガイギー株式会社 篠山工場での製造工程などを精査。その結果、以下の理由から通常の製造工程における混入の可能性は極めて低いと判断したとしている。

  • 本製品の原料は溶解後にフィルターを通し、さらに細い充填部を通して成形したアルミコンテナに充填するため、原料および充填工程でこのような針状の金属が混入する可能性は考えられない。
  • 包装材料からの混入については、坐薬を包むアルミシートは成形型で強い圧力をかけられるため、針状の金属は変形してしまうと考えられるが現品にその痕跡は認められない。
  • 針状の金属が刺さった坐薬を包むアルミシートには、いずれも穴が開いており、包装後に混入されたと思われること。
  • 工程で使用する機器には今回発見されたような針状のパーツは使用しておらず、また、工具類についても同様に針状のものは使用していない。
  • 本ロット製造前にメンテナンスや工事等は行っておらず、これらが要因となった可能性はない。
  • 製造前には作業員がラインをチェックし、記録を残す手順となっているが、同ロット製造前に何ら異常は記録されていない。

(ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリースより引用)

相談窓口まで連絡するよう呼び掛け

ノバルティス ファーマは、関係省庁にすでに報告は済んでおり、当局および警察の捜査にも全面協力するとしている。また、患者の安全を第一に考え、できるだけ速やかに医療機関にも情報伝達を行うとしている。

また同剤を処方された患者、また医療関係者には、使用前および調剤時に針状の金属の混入やアルミシートに穴が開いていないかなどの確認するよう注意を促している。何らかの異常が認められた場合は、使用せずに同社の相談窓口まで連絡するよう呼び掛けている。(QLifePro編集部)

▼外部リンク

ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2014/

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