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名大  CTLA-4抗体を用いた腫瘍免疫療法に併発する二次性下垂体炎の発症機序を解明

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2014年04月11日 AM06:05

免疫療法薬抗CTLA-4副作用で高率発症、そのメカニズムが明らかに

名古屋大学総合保健体育科学センターの岩間信太郎特任講師、米ジョンズ・ホプキンス大学のPatrizio Caturegli准教授らの共同研究グループは4月3日、抗細胞傷害性T細胞抗原4(CTLA-4)抗体を用いた腫瘍免疫療法に併発する二次性下垂体炎の発症メカニズムを解明することに成功したと発表した。この研究成果は、米科学振興協会発行の「Science Translational Medicine」に米東部時間の4月2日付で掲載された。

下垂体炎は従来、稀な疾患であったが、近年開発された進行悪性腫瘍に対する免疫療法薬の抗CTLA-4抗体を用いた治療において、その副作用として平均4%という高い確率で発症することが報告され、その臨床的重症性に注目が集まっている。

(画像はプレスリリースより)

2型アレルギー反応を介した炎症であることを発見

研究グループは、ヒトで用いられる抗CTLA-4抗体と同等の抗体をマウスに投与することで、二次性下垂体炎モデルマウスを作成することに成功。一般に活性化T細胞や制御性T細胞で発現が知られているCTLA-4が、下垂体の一部の甲状腺刺激ホルモン産生細胞およびプロラクチン産生細胞において発現していることを初めて確認したという。

さらに解析を進めた結果、投与された抗CTLA-4抗体は下垂体に発現するCTLA-4に直接結合して補体を活性化。II型アレルギー反応を介して下垂体に炎症を惹起していることが判明したとしている。

また研究グループは、抗CTLA-4抗体治療による二次性下垂体炎患者血清の検討した7例すべてにおいて、抗下垂体抗体が治療後に陽性化したことも明らかにしている。

臨床における早期発見、新規予防法確立に期待

今回判明した抗CTLA-4抗体の免疫関連有害事象である下垂体炎の発症メカニズムから考えると、2型アレルギー反応を軽減できる新たな抗CTLA-4抗体を開発すれば、高率で発症する二次性下垂体炎を予防できる可能性があるという。

また、臨床的には抗下垂体抗体を評価することで、重症化する前の早期発見が可能となると考えられ、今回の発見が、今後の治療に活かされるものと期待されている。(紫音 裕)

▼外部リンク

名古屋大学 プレスリリース
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/

Pituitary Expression of CTLA-4 Mediates Hypophysitis Secondary to Administration of CTLA-4 Blocking Antibody
http://stm.sciencemag.org/content/6/230/

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