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ノバルティス ルキソリチニブが第3相臨床試験の長期フォローアップデータで患者の全生存を改善したと発表

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2013年12月26日 PM03:00

死亡リスクの減少と脾臓サイズ縮小の持続を確認

スイス・バーゼルのノバルティスは現地時間12月9日、ルキソリチニブに関して実施した第3相臨床試験である、COMFORT-IおよびCOMFORT-IIの2試験の解析の結果、プラセボ群および従来治療群に比べ、同剤投与群に無作為割り付けされた骨髄線維症患者の生存期間が有意に延長することを確認したと発表した。報道発表を行うとともに、米ニューオーリンズでの第55回米国血液学会(ASH)年次総会で発表している。

(開発コード:INC424、欧州製品名「Jakavi(R)」)は、JAK1/JAK2チロシンキナーゼの経口阻害剤。2012年8月欧州委員会により、原発性骨髄線維症(慢性突発性骨髄線維症)、真性多血症後の骨髄線維症、または本態性血小板血症後の骨髄線維症の成人患者における脾腫または諸症状の治療薬として承認された。また欧州以外でも、カナダやアジア、中南米、南米など50カ国以上で承認されている。日本国内では現在、骨髄線維症について承認申請中で、真性多血症に関しては第3相臨床試験の実施段階にある。

米国では「Jakafi(R)」の製品名で、インサイト社から発売されているが、ノバルティスはインサイト社から、米国外における開発と商業化に関するライセンスを取得している。

(この画像はイメージです Flickr : Ed Uthman

COMFORT臨床プログラムの解析を主要4点で発表

臨床プログラムの解析として、4点が主に発表されている。1つ目は、COMFORT-II試験における予後に有害な変異の影響についてで、当初からルキソリチニブ投与群に無作為に割り付けされた骨髄線維症患者において、疾患関連の遺伝子変異が脾臓サイズの縮小、貧血の発症、全生存に及ぼす影響を検証している。通常、特定の疾患関連の遺伝子変異がある患者は、分子的にリスクが高く、変異のない患者に比べ、全生存期間が短いほか、白血病リスクが高い傾向にある。しかし検証の結果、35%以上の脾臓縮小患者の割合に違いはみられないこと、両グループでの全生存の改善がみられたことから、変異の有無にかかわらず、ルキソリチニブで同様の効果が得られると確認されたという。

2つ目にCOMFORT-I試験の3年間という長期フォローアップ解析では、患者の死亡リスクがプラセボ群と比較し、31%の減少を記録したという。グレード3または4の貧血および血小板減少症は、ルキソリチニブ治療の投与開始から6カ月以内という早期にのみ生じるものであり、長期の治療では減少することも確認されている。

3つ目のCOMFORT試験の統合全生存解析では、当初からルキソリチニブ投与群に無作為割り付けされた患者の3年経過時の死亡リスクは、プラセボ群患者に比べ、35%減少している。高リスクの骨髄線維症患者においても、推定生存率で、対照群の中等度-2-リスク患者と同様であったという。また参加したすべての患者で、治療前の脾臓サイズの大きさと死亡リスクには関連性があることもあらためて確認された。

4つ目には、多施設の動的国際予後システム(DIPSS)とCOMFORT-II試験のレトロスペクティブな比較研究の結果が報告され、それによると、COMFORT-II試験で当初からルキソリチニブ投与群に無作為割り付けされた患者の方が、その予後においてDIPSSデータベースの患者よりも良好であることが分かったそうだ。最初の診断時から10年時の生存率で、COMFORT-II試験は28.6%、DIPSSでは11.2%と、ルキソリチニブの導入で、死亡リスクが半減することが示されたという。

予後が不良なことで知られ、治療選択肢が限られている骨髄線維症だが、多くの治療パラダイム変化をもたらしたルキソリチニブについて、長期的な効果に関しても有望であることが示されたこれらのデータは、今後の対象患者における治療に光をもたらすものとなると期待される。(紫音 裕)

▼外部リンク

ファーマ株式会社 プレスリリース
http://www.novartis.co.jp/news/2013/

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