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サノフィとRegeneron社 sarilumabについて第3相試験の肯定的結果を発表

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2013年12月09日 PM07:38

初の完全ヒト型抗インターロイキン6受容体モノクローナル抗体

Sanofi(サノフィ)とRegeneron Pharmaceuticals. Inc. (以下、Regeneron社)は、現地時間の11月22日、メトトレキサートで効果が不十分な活動性関節リウマチの成人患者を対象とした第3相臨床試験(SARIL-RA-MOBILITY試験)で、sarilumabに関し、メトトレキサートとの併用療法で、良好な結果を得たことを発表した。

sarilumabは初の完全ヒト型抗IL-6受容体モノクローナル抗体で、この第3相SARIL-RA-MOBILITY臨床試験では、身体機能に加え、疾病の徴候と症状が改善し、関節損傷の進行も抑制されたという。

(画像はwikiメディアより引用)

約1,200人の登録、52週にわたる試験で3つの主要評価項目をすべて達成

第3相SARIL-RA-MOBILITY試験では、メトトレキサートで効果不十分な中等度から高度の活動性関節リウマチ患者の約1,200人が登録されている。試験は52週にわたって行われ、参加患者はいずれもメトトレキサートとの併用で、sarilumab 200mg、sarilumab 150mg、プラセボの3つの皮下投与群のうちの1つにランダムに割り付けられ、隔週1回の投与を受けた。

その結果、200mg・150mgの両sarilumab投与群では、プラセボ群と比較し、3つの主要評価項目すべてで、統計的に有意な改善が認められたという。1つ目は、投与24週目の時点における、米国リウマチ学会の基準で20%以上の関節リウマチ症状の改善が認められた患者の割合だが、sarilumab 200mg投与群で66%、sarilumab 150mg投与群で58%、プラセボ群では33%となった。

2つ目は、投与16週目における機能障害指数(HAQ-DI)のベースラインからの変化によって評価した身体機能の改善、3つ目は投与52週目時点でのmodified total sharpスコア(mTSS:手足の単純X線写真による関節破壊評価)の変化で評価した関節損傷の進行抑制。それぞれメトトレキサートとの併用により、sarilumab 200mg群で0.25、sarilumab 150mg群で0.90、プラセボ群では2.78となり、プラセボとの併用群と比較して、sarilumab 200mgの併用群では、52週目mTSS評価のX線画像による疾病進行は、約90%の抑制を達成したことが確認されたという。

なお、投与中止に至った有害事象の発生率は、プラセボ群よりもsarilumab群のほうが高い結果となった。報告された有害事象では感染症がもっとも多く、重篤な感染症の発生率は、それぞれメトトレキサートとの併用で、sarilumab 200mg群で4.0%、sarilumab 150mg群で2.6%、プラセボ群で2.3%となっている。

sarilumab投与群では、好中球数平均値の用量依存的な低下がみられたほか、LDLコレステロール平均値およびトランスアミナーゼの上昇が確認されている。

今後の開発・研究に期待

サノフィでは、関節リウマチでは不可逆的な関節損傷が発生し、身体機能が低下することがあり、患者にとってこのことは大いに懸念されるものだとし、今回得られたデータによるsarilumabの効果は、非常に期待できるものだとみている。

sarilumabは、IL-6受容体をターゲットとする初の完全ヒト型モノクローナル抗体で、皮下注射で投与されるIL-6シグナル阻害剤。高い親和性でIL-6受容体に結合し、他の結合を阻害して、続いて起こるサイトカインを介する炎症シグナル伝達を遮断する効果がある。開発は、Regeneron社のVelocImmune(R)抗体技術を用いて進められた。

今回のSARIL-RA-MOBILITY試験で得られたデータの追加的解析結果は、今後の医学系学術集会で発表される予定となっている。(紫音 裕)

▼外部リンク

Sanofi and Regeneron Report Positive Results with Sarilumab in First Phase 3 Rheumatoid Arthritis Registration Trial
http://en.sanofi.com/Images/34979_20131122

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