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日本高血圧学会 総会でディオバン問題について説明

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2013年11月07日 PM04:28

京都府立医科大学 松原氏へのヒアリングの実施を報告

日本高血圧学会は10月25日、第36回日本高血圧学会総会に合わせた会員総会を開き、現在問題となっている降圧薬・ディオバンに関する臨床試験データ操作問題に関して8月に設置された倫理委員会の活動状況として、データ操作が明らかになったKyoto Heart Studyの主任研究者で京都府立医科大学循環器内科前教授の松原弘明氏へのヒアリングなどを実施したことを明らかにした。

また、今後同Studyに関する調査をさらに進めるとともに、データ操作の疑念がもたれている東京慈恵会医科大学のJIKEI Heart Study、滋賀医科大学のSMART、名古屋大学のNagoya Heart Study、千葉大学のVARTについての扱いについては今後協議すると報告した。

今後、他の主任研究者にヒアリングの可能性

総会では同学会理事で横浜市立大学大学院医学研究科病態制御内科学(第二内科)教授の梅村敏氏から、松原氏に対して学会の倫理委員会が10月5日にヒアリングを行い、その3日後の8日に松原氏から退会届があったことを説明。学会としては「定款に沿えば受理せざるを得ない」として10月22日に退会届を受領したことを報告した。また、倫理委員会では松原氏への処分案も検討していることも明らかにされた。これに関連して総会後に取材に応じた倫理委員会委員長で弁護士の平井昭光氏は「定款では明確な規定はなく、実際の処分については定款の解釈や運用の仕方によって行われることになるだろう」との見通しを示した。

さらに、総会で梅村氏はKyoto Heart Studyの事務局を務め、同Studyのメイン解析論文の筆頭執筆者だった当時の京都府立医科大学循環器内科講師の沢田尚久氏(現・京都第一赤十字病院循環器内科副部長)やノバルティスファーマの元社員に対してもヒアリングを予定していることも報告。他にデータ操作の疑念がもたれている滋賀医科大学のSMART、名古屋大学のNagoya Heart Study、千葉大学のVARTについては扱いを検討中とした。

総会終了後、取材に応じた同学会の理事長で愛媛大学大学院医学系研究科分子心血管生物・薬理学教授の堀内正嗣氏は「JIKEI Heart Studyの主任研究者だった望月正武氏(現・東京慈恵医科大学客員教授)にはヒアリングを予定している」と語り、近く望月氏に対してヒアリングを正式に要請することを明らかにした。また、堀内氏はKyoto Heart Studyに関する沢田氏へのヒアリングの結果次第では同Studyのサブ解析論文の筆頭執筆者となった他の京都府立医科大学循環器内科の関係者に対しても「ヒアリングの可能性はある」との考えを示した。(

▼外部リンク


http://www.jpnsh.jp/

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