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米イーライリリー Ramucirumab単剤での胃がんへの改善効果を発表

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2013年10月24日 PM07:05

米イーライリリー、臨床第3相試験結果を発表

米国イーライリリー・アンド・カンパニーは、進行・再発胃がん患者を対象とした第3相試験であるREGARD試験において、Ramucirumab単剤投与によって全生存期間を有意に改善したという結果を10月15日発表した。進行・再発の胃がん患者を対象とした生物学的製剤又は血管新生阻害剤の単剤による第3相試験としては初めて、全生存期間の改善と無増悪生存期間の延長を示した。試験結果はLancet誌に掲載されている。

(画像はwikiメディアより引用)

抗VEFR-2ヒト型モノクローナル抗体

Ramucirumabは、抗血管内皮細胞増殖因子受容体VEFR-2ヒトIgG1型モノクローナル抗体。VEGF-2を特異的にブロックし、腫瘍に血液を供給するプロセスである血管新生と維持を直接抑制するようにデザインされた生物学的製剤である。2008年にImClone Systemsの買収によってイーライリリー社が権利を取得、現在様々ながん腫に対する単剤及び他の治療法との併用について臨床試験を行っている。胃がんに加えて、今後、大腸がん、肝細胞がん、肺がんに対する第3相試験の結果が2014年中に報告される予定であるという。

全生存期間、無増悪期間とも延長

今回の報告は、初回化学療法後に増悪が認められた進行・再発の胃がん患者を対象に、BSC(Best Supportive Care)下でRamucirumab投与群とプラゼボ投与群とを比較した無作為化二重盲検第3相国際共同試験であるREGARD試験での結果。355例の患者を2:1の割合で無作為に振り分け、Ramucirumab 8 mg/kgまたはプラセボのいずれかを2週間に1回静脈内に投与した。

Ramucirumab投与群238例の全生存期間の中央値は5.2ヵ月で、プラセボ投与群117例の3.8ヵ月に対して37%延長。全生存期間のハザード比は0.776(95% CI 0.603-0.998、p=0.0473)であり、死亡リスクが22%減少したことになる。また、無増悪生存期間の中央値がRamucirumab投与群で2.1ヵ月だったのに対し、プラセボ投与群では1.3ヵ月であったという。

有害事象は高血圧等

グレード3以上の有害事例は、高血圧、腹痛、出血、動脈血栓塞栓性のイベント、蛋白尿、低ナトリウム血症、低カリウム血症。グレード4以上の高血圧はRamucirumab投与群では報告されなかったという。他に頭痛と下痢が全グレードでの発現率5%を超えて認められ、治験責任医師によって報告された治療に関連した死亡はRamucirumab投与群で5例、プラセボ投与群で2例だった。

世界で4番目に多い胃がんは、依然としてがん関連死の上位に位置しており、2008年には世界で約100万人が新たに胃がんと診断されている。その成長は緩やかで発見が遅れる場合が多く、進行後は他臓器への転移も多い。イーライリリー社はリリーオンコロジーとして50年以上にわたりがん領域での新規治療法開発を手がけている。同社は、今回の結果を今後の薬事申請の中心的データとし、早期認可を目指すとしている。(長澤 直)

▼外部リンク

日本イーライリリー会社 プレスリリース
https://www.lilly.co.jp/

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