医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > テクノロジー > 大阪大学と住友商事 次世代がん治療装置を開発

大阪大学と住友商事 次世代がん治療装置を開発

読了時間:約 57秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年09月18日 AM10:31

実用的装置の開発として世界初

9月6日、大阪大学と住友商事株式会社は、次世代がん治療装置(BNCT装置)の開発に成功したことを発表した。難治療性のがん治療に効能を有する「ホウ素性中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy:BNCT)」分野において、世界初の低被ばくで病院に併設可能な実用的装置の開発となる。

(この画像はイメージです)

BNCTは、ホウ素の中性子と反応しやすい性質を利用し、ホウ素を取り込んだがん細胞に中性子を照射することにより、がん細胞のみを選択的に内部から破壊する最新の治療法。研究グループは液体リチウムを使用することで、BNCTに最適な低速中性子線を得ることに成功したという。製作した実用機のプロトタイプモデルは、バーミンガム大学での性能評価試験で、治療に必要な中性子量を十分に得ることができること、不要な放射線による被ばくが非常に低いことを確認したとしている。

許認可申請は2016年頃を目指す

ニュースリリースでは、今後は国内の病院と協力し2014年には実用1号機の製造開始、2016年頃には許認可の申請を行いたいとしており、

さらに、欧米の病院や大学とも協力し、欧米医療機関への許認可取得も視野に入れ、液体リチウム方式によるBNCTの確立を目指します。(住友商事株式会社 ニュースリリースより引用)

とも述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

住友商事株式会社 ニュースリリース
http://www.sumitomocorp.co.jp/news/detail/id=27107

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 テクノロジー

  • 幼児の睡眠改善アドバイスアプリ「ねんねナビ」にAI追加搭載、有用性を確認-阪大ほか
  • ステージ4肺がん、電カルデータから高精度に予後予測するAIを構築-近大ほか
  • ペット型ロボットは、無菌室での長期療養患者への心理面支援に「有効」-東京医科大
  • 介護保険の質疑応答、生成AIチャットボットのシステムを開発-岡山大
  • 視覚障害者を支援、AI活用の写真撮影システム「VisPhoto」開発-大阪公立大ほか