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新型コロナウイルスは下気道に多いということを公表

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2013年06月20日 PM02:13

新型コロナウイルスは、現在中東を中心として患者が発生している。仏Lille大学のBenoit Guery氏らは、フランスにある病院に入院した患者2人を対象としてウイルス学的分析を行い、MERS感染を確認した後は下気道標本が適していることと、潜伏期間は9~12日であることを示して、Lancet誌電子版に2013年5月30日に報告した。13年5月28日までにWHOに報告されている新型コロナウイルスの感染は49例であり、26人が死亡している。

報告されのは、ドバイに訪問歴がある男性患者と、その患者から院内感染した渡航歴のない男性患者についての情報である。いずれの患者も免疫抑制状態であった。

最初の患者は64歳で高血圧と糖尿病の既往を有しており、1998年に腎移植を受け、免疫抑制療法を継続していた。2013年4月にドバイを訪問しており、発症は4月22日で、4月23日にValenciennes病院を受診した。

症状としては下痢と発熱であったが呼吸器症状はなく、胸部X線所見も正常であった。4月26日に呼吸困難が発生したためValenciennes病院に入院し、その後Douai病院のICUに搬送され、新型コロナウイルス感染が疑われたのである。5月8日にはLille大学の教育病院のICUに転送されたのだが、5月28日に難治性の多臓器不全で死亡した。

(この画像はイメージです)



新型コロナウイルスの感染について調査

もう一人の患者は51歳の男性で、心筋梗塞、動脈性高血圧、脂質異常症の既往を有し、ヒスタミン誘発性血管浮腫に対する治療として12年6月からプレドニゾン40mg/日とビタミンK拮抗薬を服用していた。

先ほどの患者と同室になってから、ベッドは1.5m離れて設置されていた。

一時は退院して自宅に戻ったのだが、その後無力感、筋痛、咳が現れ、先ほどの患者との接触歴があったことからLille大学教育病院に紹介され、新型コロナウイルスと診断された。その後機械的換気や血液透析、ECMO適用を行った。

下気道標本などを採取して、新型コロナウイルスの存在を調べところ、検出された。下気道標本のウイルス量は非常に高かった。また患者から家族や医療スタッフへの感染が見られていない。

下気道標本から抽出したRNAを利用して調べたところ、遺伝子の配列は同一であった。2人の患者が同じ病室に入院していた時期に基づいて潜伏期間を推定すると9~12日となった。また両者とも免疫抑制状態にあったことから、免疫機能の低下は新型コロナウイルス感染の危険因子と見るべきだろうと著者らは述べている。(福田絵美子)

▼外部リンク

Lancet誌電子版
http://www.thelancet.com/journals/lancet/

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