医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 海外 > 重症インフルエンザ患者に薬剤を倍量投与しても効果なし

重症インフルエンザ患者に薬剤を倍量投与しても効果なし

読了時間:約 1分27秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年06月16日 PM02:13

重症インフルエンザ患者に倍量の薬剤を投与

重症になっているインフルエンザ患者に対してオセルタミビルを通常よりも倍の量を投与しても、ウイルス学的転帰と臨床転帰には改善がみられないということがわかった。ベトナムSEAICRN熱帯病病院のJeremy Farrar氏らが、BMJ誌電子版に2013年5月30日に報告している。



一部の治療ガイドラインでは重症患者に、承認用量を超えるオセルタミビルを用いることを勧めている。South East Asia Infectious Disease Clinical Research Network(SEAICRN)の研究者たちは、推奨が妥当であるかどうか確認するために試験を実施し、同じ倍量を用いることによってどのような結果になるのかを見極めることにした。

対象としてはインドネシア、シンガポール、タイ、ベトナムの13病院に入院して、発症から10日以内のインフルエンザ感染者で、重症もしくは1歳以上の患者を登録した。

患者に対してオセルタミビル150mgを1日2回、または75mgを1日2回、5日間投与した。ただし小児の場合は、適応の量となっている。

(Wikiメディアより引用)

倍量の薬剤を投与しても利益なし

5日目になっても頻呼吸、呼吸困難、低酸素症が続いている患者は治療失敗ということで、その後も5日間薬を投与した。

評価指標としては、ウイルスRNAが陰性となることとした。上気道検体については、治療開始から5日目に採取した鼻スワブと咽頭スワブの両方とした。



326人の患者を登録し72.1%がベトナム、21.8%がタイ、4.6%がインドネシア、1.5%がシンガポールで登録された患者だった。発症から登録までの平均日数は5日で、全体の23.3%は登録する前にオセルタミビルまたはザナミビルの投与を受けていた。

また登録時に57人の患者がICUへの入院が必要で、25人は急性呼吸窮迫症候群を発症した。



通常の倍量の薬剤投与と、通常通りの薬剤投与を行う患者に分けて、その後の経過を調査した。結果は、患者に倍量のオセルタミビルを投与しても利益は見られず、著者らは、「この結果は、現在脅威が高まっているH7N9を含む新型インフルエンザのパンデミックへの備えにも影響を与える」と述べている。(福田絵美子)

▼外部リンク

BMJ誌
http://www.bmj.com/content/346/bmj.f3039

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 海外

  • 新型コロナ、抗体が確認された小児でもウイルスを伝播させる可能性-米報告
  • 読解記述力、計算能力が低い小学生に見られる、日常生活における習慣とは?
  • 新型コロナ「感染・発症から1カ月後に再検査を」伊報告、その理由は?
  • 出世の速さに、その人の「性格の良さ」が影響する?
  • 新型コロナ、男性患者で重症化しやすい理由は感染初期の免疫反応の違い?