医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 行政・経営 > 薬剤師は薬の販売員なのか? 元厚生労働副大臣木村よしお氏の提言が波紋を広げる

薬剤師は薬の販売員なのか? 元厚生労働副大臣木村よしお氏の提言が波紋を広げる

読了時間:約 1分30秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年06月06日 PM03:13

社会保障充実のための木村義雄の提言

元厚生労働副大臣である木村よしお氏が公式ブログに投稿している「社会保障充実のための木村義雄の提言 その3」が現在、医療者を中心として波紋を広げている。内容としては医師や看護師など医療者が不足する中で薬剤師の積極的な活躍を期待すると述べているのだが、「医師より収益が良い」など、実際の薬剤師業務を正しく認識していないのではないか?など多くのコメントが寄せられ、炎上に近い状態となっている。

内容としてはまず、薬剤師のあり方についてということで始めている。薬剤師法から引用して薬剤師の役割を述べているのだが、薬剤師は医療人であることを示しており、単に薬の販売やレジ打ちを行うということではないはず、それについて現状はどうだろうか、と投げかけている。

(この画像はイメージです)
これについて実際に近所の医師に診てもらったという例え話を用いて、隣の薬局で薬を購入した場合の収支について細かく数字で述べている。
説得力のある内容ではあるが「巷間噂されている3割ぐらいの薬価差益」などその根拠としている前提が噂を元にしているという点などについても多くの指摘がなされた。

規制緩和と安全性

医薬品のオンライン販売解禁やアベノミクスの成長戦略の一つに医療改革を上げるなど、政府は規制緩和に動いており、国民の関心も高い。規制緩和に伴う国民の利便性向上などは多くの国民が望む所ではあるが、医療に関しては判断を誤れば命にかかわり、医薬品に関しては薬害の事を忘れてはならない。「時代は変わった」と利便性だけを求め規制緩和を進めるのではなく安全性もまた、同時に担保できるようにルールを整備するのが医療行政であり、それを提言し推進するべきは政治である。
元厚生労働省副大臣を歴任した木村氏にとって日本の深刻な問題である医療についてわかりやすく説明したと思われるのだが、残念ながら医療行政を所管している厚生労働省の元副大臣からの発言としては、実際の薬剤師業務実体と乖離した主張も散見する。
また、現時点では多くの医療者から質問や指摘がコメントで寄せられているが反論や説明は行われていない。
インターネット選挙運動も解禁された事もあり、これを機会にネットのメリットである双方向でのコミュニケーションを期待したい。(福田絵美子)

▼外部リンク

木村よしお氏  公式ブログ
http://ameblo.jp/kimurayoshio/entry-11536301609.html

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 行政・経営

  • 【行政評価・監視委】20歳以上にも規制強化を-濫用の恐れのある医薬品
  • 【医薬品情報学会】口腔OTCの根拠公表-鎮痛薬服用前後で効果
  • 【茨城県/順天堂大】「茨城県地域枠」で協定締結-在学中に月10万円貸与
  • 【薬事検討会】中等度変更事項を試行導入-報告書案が大筋で了承
  • 【厚労省】29年度末65%以上を新目標-後発品の金額シェア設定