医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 海外 > 高齢者へのPPI長期処方は1年間の死亡率の上昇と関係あり

高齢者へのPPI長期処方は1年間の死亡率の上昇と関係あり

読了時間:約 1分26秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年03月16日 PM08:13

PPIを処方された高齢者と死亡率のリスクの関係

プロトンポンプ阻害薬(PPI)を処方された高齢者は、1年死亡率を高める可能性があるということが、イタリアParma大学病院のMarcello Maggio氏らの研究で明らかとなった。調査についての詳細は、JAMA Internal Medicine誌電子版に2013年3月4日に報告されている。

この数十年間ではPPIの処方は増加しており、特に高齢者へ処方することが増えている。PPIは胃食道逆流症や消化性潰瘍の治療において、ヒスタミン受容体拮抗薬よりも効果が高い。しかし近年、PPIの長期使用と骨折、感染症、肺炎などのリスクが上がるという報告がある。

また、急性期病院の内科病棟などに入院している患者に対してPPIの処方する場合には、不適切なケースが含まれていると考えられている。PPIには、栄養素の吸収を阻害することや、非ステロイド性抗炎症薬、抗血小板薬、ビスホスホネートなどの薬剤の効果を減弱させる可能性あると考えられている。そのため入院したことがある高齢者は、影響を受けやすいと考えられている。

(この画像はイメージです)

PPIの長期処方は死亡率の上昇と関係あり

そのため著者らは、イタリアで行われた観察研究のデータを利用して、高齢者に対する長期的なPPIの処方をすることで、死亡や再入院に影響を及ぼすかどうかを調べることにした。

研究対象は07年4月1日~6月30日までにイタリアで急性期病院11カ所を退院した、65歳以上の高齢者491人で、退院直後からPPIを使用することと死亡、あるいは、再入院についての関係を評価した。この研究の結果、1年間に死亡した患者は、PPIを処方しなかったグループが10.4%、処方をしたグループでは18.4%であった。

急性期病院退院後の高齢者がPPIを使用した場合は、1年間死亡する確率が上昇するという事が明らかになった。「今回の結果を確認する試験の実施は必要だが、研究の結果が発表されるまでは、高齢者へのPPIの長期投与は慎重に行うべきである。また投与期間も定期的に検討し、必要のない長期投与を避けることが大切である」と著者らは述べている。

▼外部リンク

JAMA Internal Medicine誌電子版
http://archinte.jamanetwork.com/

このエントリーをはてなブックマークに追加

このニュースを見ている人は、こちらのニュースも見ています

利尿薬+RA系阻害薬に非ステロイド性抗炎症薬を追加すると、急性腎障害になるリスクが上昇 - QLifePro 医療ニュース

利尿薬+RA系阻害薬に非ステロイド性抗炎症薬を追加すると、急性腎障害になるリスクが上昇 - QLifePro 医療ニュース

複数の薬剤を投与することのメリットとデメリット降圧薬を使用している場合には、非ステロイド性抗炎症薬を追加投与するということは珍しくない。この画像はイメージですカナダJewish General HospitalのFrancesco Lapi氏らが行った研究によって、利尿薬とレニン・アンジオテンシン系阻害薬、もしくはアンジオテンシン受容体拮抗薬を併用している患者に対して、非ステロイド性抗炎症薬を投与してしまうと、最初の一ヶ月は、急性腎障害になるということが明らかになった。

シタグリプチンと入院や死亡のリスクに関連なし - QLifePro 医療ニュース

シタグリプチンと入院や死亡のリスクに関連なし - QLifePro 医療ニュース

経口ジペプチジルペプチダーゼ4阻害薬の使用経口ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4)阻害薬の使用することによって入院や全死因死亡のリスク上昇と関係しないということが、研究によって示された。カナダAlberta大学のD T Eurich氏らが、BMJ誌電子版に2013年4月25日に報告した。

アキュメトリクス.「心臓・非心臓手術患者に対する抗血小板薬の使用に関する米国胸部外科学会ガイドライン」2012年改訂版発行を発表 - QLifePro 医療ニュース

アキュメトリクス.「心臓・非心臓手術患者に対する抗血小板薬の使用に関する米国胸部外科学会ガイドライン」2012年改訂版発行を発表 - QLifePro 医療ニュース

11月15日、サンディエゴ 「VerifyNow®(現在、米国の800を超える施設と、世界70か国以上で医師が臨床で使用している)」システムの開発元であるアキュメトリクスは本日、「心臓・非心臓手術患者に対する抗血小板薬の使用に関する米国胸部外科学会(STS)ガイドライン」2012年改訂版が発行されたと発表した。クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロルなどの抗血小板薬は、世界各国で最も広範に処方されている医薬品の例である。

武田薬品 タケプロンと低用量アスピリンの配合剤を発売 - QLifePro 医療ニュース

武田薬品 タケプロンと低用量アスピリンの配合剤を発売 - QLifePro 医療ニュース

日本初の低用量アスピリンとプロトンポンプ阻害剤の配合剤に武田薬品工業株式会社は6月12日、消化性潰瘍治療剤のランソプラゾールと低用量アスピリンの配合剤「タケルダ(R)配合錠」の日本国内における発売を開始した。この画像はイメージですタケルダ配合錠は、低用量アスピリンと同社の消化性潰瘍治療剤「タケプロン(R)」の合剤。

脳梗塞の血管内治療とtPA静注とでは治療効果の差はない - QLifePro 医療ニュース

脳梗塞の血管内治療とtPA静注とでは治療効果の差はない - QLifePro 医療ニュース

虚血性脳卒中患者に対して行う治療急性虚血性脳卒中患者に行う血管内治療では、標準療法である組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)の静注と同じぐらいの効果しかない。またtPAと併用したとしてもあまり改善しないという試験結果が、2013年2月6日と7日のNEJM誌電子版に掲載された。

このニュースを見ている人は、こちらの医薬品を調べています

ディアコミットドライシロップ分包250mg - 添付文書Pro Online

ディアコミットドライシロップ分包250mg - 添付文書Pro Online

ディアコミットドライシロップ分包250mgはMeiji Seika ファルマ株式会社の医薬品で薬価は1包 507.1円です。添付文書Pro Onlineは、製剤写真から疾患別処方ランキングまで揃った全ての医療者のための無料ツールです

ディアコミットカプセル250mg - 添付文書Pro Online

ディアコミットカプセル250mg - 添付文書Pro Online

ディアコミットカプセル250mgはMeiji Seika ファルマ株式会社の医薬品で薬価は1カプセル 507.1円です。添付文書Pro Onlineは、製剤写真から疾患別処方ランキングまで揃った全ての医療者のための無料ツールです

アドリアシン注用10 10mg - 添付文書Pro Online

アドリアシン注用10 10mg - 添付文書Pro Online

アドリアシン注用10 10mgは協和発酵キリン株式会社の医薬品で薬価は1瓶 2110円です。インタビューフォームも掲載しています。

TimeLine: ,
 

同じカテゴリーの記事 海外

  • 1日5分走れば、死亡リスクが減る-米国心臓病学会財団
  • 野菜とフルーツ、死亡率との関連-BMJ誌
  • 若者の物質使用障害、即時介入のためのスクリーニング-JAMA Pediatrics(小児科学)
  • E型肝炎ウイルス感染、イングランドで広がる-ランセット誌
  • 日勤者への引き継ぎ不足、改善策は-JAMA誌・内科