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ビタミンDとカルシウム摂取について -USPSTF勧告

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2013年03月13日 PM06:13

不十分なリスク・ベネフィット研究

健康な成人によるビタミンDとカルシウム摂取に関して、先月25日、米予防医療サービス専門作業部会(USPSTF: U.S. Preventive Services Task Force)は勧告を発表し、26日には米内科学会(ACP)雑誌「内科年報(Annals of Internal Medicine)」にも掲載された。昨年6月の勧告(草案)に寄せられたコメントや、新たな研究報告などを受け、最終版として発表されたものである。

勧告内容は、次の通りである。

・閉経前女性および男性の骨折に対する一次予防として、毎日ビタミンDとカルシウムをサプリメントで摂取することについてリスク・ベネフィットのバランスを評価するには、現在のエビデンスでは不十分とする (グレード:I[通告])。
・施設未入居の閉経後女性の骨折に対する一次予防として、1日400IUを超えるビタミンD3と1000mgを超えるカルシウムをサプリメントで摂取することについて、リスク・ベネフィットのバランスを評価するには、現在のエビデンスでは不十分とする (グレード:I[通告])。
・施設未入居の閉経後女性の骨折に対する一次予防として、1日400IU以下のビタミンD3と1000mg以下のカルシウムをサプリメントで摂取することについては、推奨しない (グレード:D)。

各グレードではPSTFによる診療の提案が示されており、「I[通告]:使用する場合は、リスク・ベネフィットのバランスが明らかになっていないことについて、患者の理解を得ていることが必要」、「D:使用は推奨しない」となっている。

なお、骨粗しょう症およびビタミンD欠乏症の患者には、今回の勧告は適用しないとしている。

(この画像はイメージです)

つづく論争と混乱

サプリメントによるカルシウムの補給については、スウェーデンのウサラ大学医学部研究グループによる研究で、対象となった39歳から73歳の女性において、過剰摂取により心血管疾患やその他の死亡リスクが上昇したという結果を得ており、先月13日のBritish Medical Journal電子版に報告が掲載された。

今回のPSTFの発表に対して、米国骨代謝学会(ASBMR: American Society for Bone and Mineral Research)は、「骨折リスクの高い高齢者の場合は、骨折予防にサプリメント摂取が必要である」との見解を出し、米国医学研究所(IOM: Institute of Medicine)が2011年に出した勧告を支持する立場を再び表明した。

内科年報(Annals of Internal Medicine)は、PSTF勧告の掲載と同時に論説を出し、「異なる条件設定により、それぞれに異なる複数の勧告が発表され、治療現場の医師や一般国民に混乱が生じかねない」現状を指摘している。そして、PSTFによる今回の勧告は結論が不明瞭で、論争が収束する見込みは薄い、と述べている。 (本田 基)

▼外部リンク

PSTFによる勧告(最終版)
http://www.uspreventiveservicestaskforce.org/uspstf/uspsvitd.htm

米国骨代謝学会(ASBMR)の見解
http://www.asbmr.org/About/PressReleases/

内科年報(Annals of Internal Medicine)の論説
http://annals.org/article/

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