従来の薬剤では死滅しない超強力な細菌
2012年、アメリカでは、約200の病院と長期療養施設で少なくとも1人の患者が、CREバクテリアに感染していたことが判明した。CREバクテリアの正式名称は、Carbapenem-Resistant Enterobacteriaceaeで、これに血流感染した患者のほぼ半数が死に至っている。
CREバクテリアは従来の抗生物質が全く効かない上に、適応性があり、同じ科に属する他のバクテリアを模倣することができる。
腸内細菌科(Enterobacteriaceae)には大腸菌や肺炎桿菌など主に消化器官に潜む70種類以上の細菌が属し、抗生物質の頼みの綱とも言われるカルバペネムの繰り返される使用によって、カルバペネムに対する耐性が増してきたと考えられる。

(CDCホームページより)
Centers for Disease Control and Prevention(CDC)に5日発表されたレポートによれば、CREバクテリアの報告件数は、アメリカ全土で過去10年間に4倍に増加した。
予防ガイドライン
CDCが発表した、医療施設のためのCREバクテリア予防ガイドラインの主旨は以下の通りである。
・感染予防策の使用の規制(通常と接触予防策)
・CREバクテリアの感染患者のグループ化
・可能な時に、CREバクテリア感染患者の治療のための病室、器具、と人員の確保
・CREバクテリア感染患者が転院する際の施設間の連絡
・患者が他施設(外国を含む)で今までに治療を受けたことの有無の確認
・抗生物質の賢い使用
・CREバクテリアの感染患者のグループ化
・可能な時に、CREバクテリア感染患者の治療のための病室、器具、と人員の確保
・CREバクテリア感染患者が転院する際の施設間の連絡
・患者が他施設(外国を含む)で今までに治療を受けたことの有無の確認
・抗生物質の賢い使用
(長谷川優喜)
▼外部リンク
CDC: Patients Face More Lethal Infections from CRE
http://www.cdc.gov/
CDC Vital Signs
http://www.cdc.gov/vitalsigns/
Medical News Today: Drug-Resistant Superbug Hits U.S. Hospitals
http://www.medicalnewstoday.com/articles/257310.php