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パーキンソン病に脳深部刺激療法の早期投入で生活の質や運動機能が改善

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2013年02月27日 PM07:13

脳のペースメーカー

パーキンソン病患者にとって、(DBS)いわゆる「脳のペースメーカー」が最後の希望である。これまでのところ、「脳のペースメーカー」は60歳以上で薬物治療が困難な患者に対し行われてきた。

ドイツとフランスの合同研究チームは、平均52歳でパーキンソン病になり平均7.5年という251人のパーキンソン患者を2年にわたり調査した。

患者の半分は治療薬の投与のみ、残りの半分は、薬と脳深部刺激療法(DBS)を実施。その結果、脳ペースメーカーを植え込んだ患者の生活の質や運動機能が、治療薬のみの患者よりもより改善されたことが米医学誌「New England Journal of Medicine」に14日、掲載された。

シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン大学病院の神経科医ギュンター・ドイシュル博士によると、運動機能は53%、生活の質は26%、日常生活の活動は30%改善されたという。また、Lドーパの投与に起因する副作用も61%減少した。

脳深部刺激療法(DBS)について

パーキンソン病とは、脳の幹にあたる黒質という部分の神経細胞が次第に減少し、その神経が働くときに使うドーパミンという物質が減ることによって起こる病気である。

脳深部刺激療法(DBS)では心臓ペースメーカーに似た植え込み装置を用い、脳深部に電気刺激を行う。DBSの装置は、先端に4つの電極が付いた刺激用の細いリードと、電極に信号を送るパルス発生器、それらをつなぐケーブルで構成される。

これらの電気信号が、延長用電極と電極を通って脳深部に刺激を与える。電気刺激は無線で調整できるためパルス発生器の設定を確認または変更することが可能。

リードは、頭がい骨に直径一センチほどの穴をあけ、エックス線CTやMRIであらかじめ計測した視床の目標に挿入していく。

早期の神経刺激の優位性について証明

深部刺激療法(DBS)の植え込み手術により、てんかん発作や感染症、言語機能の障害などのリスクがある。

DBSの手術をした患者124人中68人が重篤な副作用を訴え、そのうち27人の副作用は、装置によるものだった。2年後には、一人の患者を除いて、副作用は消失した。治療薬のグループでも56人が副作用を訴えた。

フランス研究チームのYves Agid教授は、「今回の研究で、早期の神経刺激の優位性について証明できた」と語った。

世界で5万5000人以上の患者がDBSを受けている。日本国内では2000年4月から医療保険が適用され、国内32の医療機関が実施しているという。保険適用になって以降、国内で行われたDBSは約7000件(2010年現在)。 (太田みほ) 

▼外部リンク

米医学誌「New England Journal of Medicine」
http://www.nejm.org/

シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン大学病院のプレスリリース
http://www.uksh.de/

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