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カルシウムの過剰摂取は死亡リスクを数倍上昇か

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2013年02月24日 PM01:13

スウェーデンの新研究で明らかに

カルシウムは人間にとってとても大切な栄養素であることはよく知られている。とくに骨粗鬆症となりやすい女性に積極的な摂取がすすめられることは多い。だが、過剰に摂取すると、心血管疾患の死亡リスクや、その他の死亡リスクを上昇させてしまう可能性が出てきた。

スウェーデンのウサラ大学医学部Karl Michaelsson氏らの研究グループが、その関連性を示す研究結果をBritish Medical Journal電子版を通じ、13日公開した。

研究はスウェーデンのマンモグラフィコホート研究を用い、1914年~1948年生まれ(39歳~73歳)である61443人のスウェーデン女性を平均して19年間追跡、そのデータを分析して行っている。

(画像はイメージ)

1400mgを超えるとリスクは最大に

カルシウムの摂取量は、研究開始時と1997年の食物摂取頻度アンケートの回答から算出し、死亡リスクについては、国家死因登録データを用いている。

研究グループは、食事やサプリメントで摂取された総カルシウム量で、調査対象の女性らを4グループに分類、最小のグループは1日当たり平均で572mgを摂取、最大のグループは1日当たり平均2137mgを摂取していたという。

そして、女性の更年期状態や骨粗鬆症の治療、出産歴、身長・体重、喫煙歴、身体活動状況、教育程度などで分析を調整した結果、比較すると、総死亡リスク、心血管疾患による死亡リスクが最大となったのは、1日当たりのカルシウム摂取量が1400mgを超える女性だったそうだ。

(画像はイメージ)

サプリメント等での摂取はカルシウム不足の女性に限定すべき

調査対象全体では、1日1錠あたり約500mgのカルシウムを含むサプリメントの使用は、心血管疾患による死亡リスクや、総死亡リスクの増加に関係しなかったが、先の1日当たりの摂取量が1400mgラインを超えているグループで、同じサプリメントも使用していた女性は、1日600~900mgの摂取のグループの女性に比べ、各要素の調整後で、総死亡リスクは2.57倍にも増加していたという。

なおカルシウムの摂取には、ビタミンDとの関連性がポイントとなるが、このビタミンDの摂取は、今回のデータ分析結果に影響を与えなかったとされている。

研究報告は、カルシウムの摂取量が非常に多い、または少ないことは、いずれも血液のカルシウム濃度の変化を引き起こし、正常な身体の恒常性制御を乱すケースがあるとみられるとまとめられている。

よって、カルシウムの過剰摂取は総死亡リスクや心血管疾患による死亡リスクにつながるため、高齢者の骨折を防ぐ目的であっても、サプリメント等での補給は、すでに十分なカルシウム量を摂取している女性も含めるのではなく、少量しか摂取できていない女性に絞るべきと、研究グループは主張する。

カルシウムは骨や血圧を健康に保つために欠かせない重要な栄養素だが、やはりいくらでも摂ればよいというものではないようだ。食事ではなかなか摂れないような、多量のカルシウムを含むサプリメントも、現在では身近なものとしてある。使用には注意も必要だろう。(大沢雅子)

▼外部リンク

British Medical Journal 該当研究報告
http://www.bmj.com/content/346/bmj.f228

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