医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 中外製薬 「トラスツズマブ エムタンシン」 HER2陽性転移・再発乳がん対象として製造販売承認申請

中外製薬 「トラスツズマブ エムタンシン」 HER2陽性転移・再発乳がん対象として製造販売承認申請

読了時間:約 1分13秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年02月02日 AM09:13

乳がん患者の約20%は、HER2が陽性

中外製薬株式会社は、抗体薬物複合体トラスツズマブ エムタンシン(遺伝子組換え)(別称:T-DM1)の製造販売承認申請を行ったと発表した。

T-DM1は、HER2陽性転移・再発乳がんを対象として開発され、トラスツズマブ(ハーセプチン)にエムタンシンを結合し、HER2を標的とするように設計されている。

トラスツズマブでHER2シグナル伝達を阻害。エムタンシンをHER2陽性のがん細胞の内部に直接送達し、がん細胞を破壊する働きを持つ。

日本では、新規の乳がん患者は年々増加しており、乳がん患者の約20%は、HER2陽性と診断されている。また、2015から2019年の年間平均新規罹患患者数は約60,000人と推計されている。

(乳癌のX線画像(矢印) Wikiメディアより引用)

乳がん患者に早期に新たな選択肢が増える可能性

海外第Ⅲ相臨床試験(EMILIA試験)では、初期治療としてトラスツズマブおよびタキサン系薬剤を含む化学療法を受けた後に病勢進行が認められた、HER2陽性の切除不能な局所進行または転移性乳がん患者を対象に、「T-DM1単独療法」「ラパチニブとカペシタビンの併用療法」について比較している。なお、この試験に日本からは参加をしていない。

EMILIA試験では、無増悪生存期間(PFS)については、T-DM1群では併用群に比べ病勢進行または死亡のリスクが35%減少PFS中央値は、併用群6.4カ月に対しT-DM1群では9.6カ月と、3.2カ月の延長となっている。

全生存期間(OS)についても、T-DM1群では併用群に比べ死亡のリスクが32%減少OS中央値は、併用群25.1カ月に対しT-DM1群では30.9カ月と、5.8カ月の延長となっている。

▼外部リンク

中外製薬株式会社
http://www.chugai-pharm.co.jp/hc/ss/index.html

ニュースリリース
http://www.chugai-pharm.co.jp/hc/ss/

このエントリーをはてなブックマークに追加
TimeLine: ,
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 平均身長の男女差、軟骨の成長遺伝子発現量の違いが関連-成育医療センターほか
  • 授乳婦のリバーロキサバン内服は、安全性が高いと判明-京大
  • 薬疹の発生、HLAを介したケラチノサイトでの小胞体ストレスが原因と判明-千葉大
  • 「心血管疾患」患者のいる家族は、うつ病リスクが増加する可能性-京大ほか
  • 早期大腸がん、発がん予測につながる免疫寛容の仕組みを同定-九大ほか