エナジードリンクなどカフェイン過量摂取に注意
米国医師会雑誌(英語:The Journal of the American Medical Association、略称:JAMA)に発表された論文において、いわゆるエナジードリンクにはさまざまな健康リスクが存在することが指摘されている。

(写真はイメージです)
エナジードリンクは1999年にアメリカで発売が開始されて以来、若者を中心に消費量が増加している。エネルギー補給を目的とした飲料であり、砂糖、ガラナ、ビタミンB群、ハーブ類などさまざまな成分が含まれているが、なかでもカフェインが健康に悪影響を与える物質であると指摘されている。
エナジードリンクは米国食品医薬品局(FDA)の規制対象ではないうえに、ラベルにカフェインの含有量が表示されていないこともあり、飲み続けていると気づかないうちにカフェイン中毒になる危険性もある。深刻になると死亡する場合もあるので、注意が必要だ。
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健康に悪影響を及ぼすカフェイン
カフェインはエナジードリンクだけではなく、コーラなどの炭酸飲料やコーヒーなどにも含まれており、覚醒作用があると同時に、過剰摂取により、心拍数の増加や睡眠障害などさまざまな健康障害を引き起こす。
特に子供の過剰摂取には注意が必要で、米国小児科学会は子供にはエナジードリンクを飲ませるべきではないとしている。同学会はカフェインの1日あたりの限界摂取量を10代の青年は100mg、大人は500mgとしており、薬を服用している人はさらに制限するべきだと主張している。
また、エナジードリンクにはカフェインの他に砂糖も多く含まれており、過剰摂取により、高血糖に繋がるリスクなども指摘されている。
アルコールとカフェインの混合飲料の危険性
アルコールとカフェインの相互作用によるリスクについても注意を喚起している。
アメリカでは、エナジードリンクをウォッカやカクテルなどと混ぜて飲む飲み方が大学生や若者の間で人気があるが、この混合飲料はアルコールの麻酔作用とカフェインの覚醒作用が互いに打ち消し合うため、酔っていることに気が付かず、飲酒量が多くなる傾向がある。
エナジードリンクを日常的に飲む習慣がある人のほうが、飲む習慣がない人に比べて、大量飲酒者になる確率が高いとの研究結果もある。混合飲料が健康に及ぼす影響に関しては、現在研究が進行中であるが、十分注意する必要があることは間違いがないとのことだ。
▼外部リンク
米国医師会雑誌ホームページ
http://jama.jamanetwork.com/
http://jama.jamanetwork.com/