医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 海外 > HIVワクチンを開発 エイズの発症を防ぐ―スペインの研究チーム

HIVワクチンを開発 エイズの発症を防ぐ―スペインの研究チーム

読了時間:約 1分39秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年01月07日 AM07:13

不活性化されたHIVがベースに

スペイン・バルセロナ大学の研究チームは、後天性免疫不全症候群いわゆるエイズ(AIDS)に対する新しいワクチンを開発した。

新しいワクチンは、ヒトの免疫システムを強化し、白血球の感染という問題も解決するものだという。このHIVワクチンの成功は、学術誌「Science Translational Medicine」に2日、発表された。

新HIVワクチンは、不活性化されたHIVから作られ、将来的には抗レトロウイルス薬と置き換えられる可能性を示している。

(写真はWikiメディアより引用)

白血球の感染問題を解決

エイズはヒト免疫不全ウイルス()が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす免疫不全症である。HIVのような病原体が人体に侵入してきた時、免疫系が反応する。

貪食細胞(スカベンジャー細胞)が、ウイルスを破壊し、小さな断片に分割。この分割された、いくつかの断片は、免疫系の樹状細胞の細胞膜へと吸収される。この細胞がHIV断片を白血球の中のリンパ球へと運ぶのである。それにより、リンパ球はウイルスに対し、特異的な免疫応答を活性化する。

しかし、時に樹状細胞は、感染性ウイルスの断片を外側の細胞膜まで運ぶことがある。このようにして、白血球が感染してしまい、免疫応答を始める代わりに死滅していくのである。

フェリペ・ガルシア博士率いるチームは、この白血球の感染問題を解決できるワクチンを開発した。

強い免疫応答

研究チームは、熱によって不活性化されたHIVを治療ワクチンとして36人のエイズ患者の樹状細胞に投与した。不活性化されたウイルスは白血球を感染させることはなく、免疫応答は普通通りに行われた。

ワクチンは、HIVに対する免疫システムを有効にした。強い免疫応答は予想通り、病原体の増殖を強く抑え、最大の効果は、ワクチン投与後12週間続いた。

48週間後、ワクチン投与の被験者は、プラセボ投与を受けた対照群よりも、明らかに良好な結果を示した。

ガルシア博士は

この研究は、エイズに対する効果的な治療ワクチンへの希望へとつながるが、これはまだエイズの治療法ではない。

と指摘している。

効果的なワクチンにするには、どれくらいの免疫応答の強さが必要かなど明確でない点があるということだ。

だが、今回の研究は、抗レトロウイルス薬なしでも血漿(しょう)中のウイルス量を大幅に低減できる新しいアプローチである証明はできた。

▼外部リンク

学術誌「Science Translational Medicine」
http://stm.sciencemag.org/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 海外

  • スマホが医療に貢献する時代、「自撮り」で、あの測定もついに実現か
  • 医療費は重い負担…。そう感じている人はどのくらい?
  • 気温35℃以上の猛暑日は「道路上でのけが」に要注意!
  • 糖尿病、早期死亡、がん…「長時間スマホ」がもたらす発病リスクとは
  • 体と心の健康に一役、長期調査で明かされた理想の住環境とは?