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パーキンソン病-殺虫剤ロテノンが腸内神経細胞からα-シヌクレインを放出させる要因に

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2012年12月22日 PM07:43

パーキンソン病の原因及び症状を悪化させるロテノン

ドイツ・ドレスデンのカール・グスタフ・カールス大学病院(Universitätsklinikum Carl Gustav Carus)と ドレスデン工科大学(Technische Universität Dresden)の研究者は、殺虫剤ロテノンがパーキンソン病の原因になるだけでなく、症状を悪化させることを発表した。詳細は、自然科学誌「Scientific Reports」に11月30日、掲載された。

以前から、有機農産物栽培に使用が許されるロテノンがパーキンソン病の原因になるのではないかといわれていた。2000年にラットにロテノンを注射するとパーキンソン症候群の発症の原因となるとの報告がある。

(この画像はイメージです)

α-シヌクレインが細胞を破壊

140アミノ酸からなるタンパク質α-シヌクレインは、パーキンソン病の原因の一つであるといわれている。研究において、殺虫剤ロテノンが腸管内の神経細胞からα-シヌクレインを放出させる要因となることが分かった。

腸管内の神経細胞から放出されたα-シヌクレインはその後、脳内の神経細胞の神経終末部に吸収され、細胞体に輸送される。α-シヌクレインは、細胞体に沈着し、細胞毒性を持つ集合体へと変性、神経細胞を破壊するのだ。

マウスの腸内で、腸と脳をつなぐある特定の神経が切断されたとき、一連の流れは行われなかった。その結果、α-シヌクレインは中脳内の神経細胞に到達せず、パーキンソン病の症状が大幅に軽減したという。

今のところ、マウスによる研究成果であるが、今後、パーキンソン病患者でも確認された場合、早期診断や治療戦略の開発が期待される。

パーキンソン病とは

パーキンソン病というのは、脳神経細胞が次第に変性していく疾患で、手足の震えや筋肉の固縮がおこり歩行困難などの運動系障害につながる慢性進行性の難病である。

脳内の中脳にある黒質という部分の神経細胞の数が減ることが原因である。ここの神経細胞は、ドーパミンという神経伝達物質を作っている。

日本での発症頻度は10万人あたり100人前後で、欧米では10万人あたり300人と見積もられている。

▼外部リンク

ドレスデン工科大学の研究発表
http://tu-dresden.de/

自然科学誌「Scientific Reports」
http://www.nature.com/

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