医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > タンパク質分子を丸ごと閉じ込め成功 東大など研究チーム

タンパク質分子を丸ごと閉じ込め成功 東大など研究チーム

読了時間:約 56秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2012年10月12日 PM01:00
タンパク質の分子を丸ごと1個閉じ込めるかご

東京大学などの研究チームは、タンパク質を丸ごと分子のかごに閉じ込める技術開発に成功したことを、英科学ジャーナル「nature COMMUNICATIONS」に10月2日付けで発表した。

(写真はイメージです)

これは、科学技術振興機構(JST)、東大大学院、分子科学研究所、、高輝度光科学研究センターの研究者が参加した研究チームによる共同研究の成果。

研究チームは、有機化合物と金属イオンを混ぜ合わせると、それぞれが安定した状態を求めて自然に集まり、球状などの構造を形成する「自己組織化」という作用を利用し、タンパク質分子を内部に閉じ込め球状のかごを作ることに成功した。

タンパク質の構造解析や創薬などへの応用が期待

今回は、配位子にユビキチンと呼ばれるタンパク質の一種をかごの部品の一つに結びつけた上で、自己組織化させることにより、直径7nmの球状のかごの中に、大きなタンパク質分子を丸ごと一つ収まった。

このように人工カプセルに閉じ込められた分子は、構造や物性、反応性が制御されることが知られており、この技術により、熱や酸などの影響を受けやすいタンパク質を変性させずに構造を調べたり、機能を制御することが容易になり、タンパク質の構造解析や創薬などへの応用が期待される。

▼外部リンク

nature COMMUNICATIONS
http://www.nature.com/ncomms/journal/v3/n10/

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 平均身長の男女差、軟骨の成長遺伝子発現量の違いが関連-成育医療センターほか
  • 授乳婦のリバーロキサバン内服は、安全性が高いと判明-京大
  • 薬疹の発生、HLAを介したケラチノサイトでの小胞体ストレスが原因と判明-千葉大
  • 「心血管疾患」患者のいる家族は、うつ病リスクが増加する可能性-京大ほか
  • 早期大腸がん、発がん予測につながる免疫寛容の仕組みを同定-九大ほか