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IABPの心原性ショックへの有効性は確認できず

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2012年10月10日 PM05:00
標準的に考えられていたIABP、その効果の実際は?

今日まで、心原性ショックを合併した心筋梗塞の治療には大動脈内バルーンポンプ()が有効であると考えられてきた。国際的な治療指針でも、IABPの使用は推奨されており、動脈血流の改善と後負荷の軽減に効果的であるとされてきた。

(写真はイメージです)

しかし、こうした効果評価とは別に、死亡率への影響について明らかにした研究は行われていなかったが、今回SHOCKII試験(無作為化前向き非盲検試験)の結果が、論文として発表された。

研究では、598人の心原性ショックを合併した急性心筋梗塞を発症し、冠動脈バイパスまたは経皮冠動脈インターベンションの適応とされた患者を対象にした。

IABPの使用が死亡率を改善させるという知見は得られなかった

IABP使用群と対照群はランダムに割り振られ、30日間の全死因死亡を結果とした結果、IABP群では死亡率は300人中119人の39.7%、対照群では298人中123人の41.3%であり、有意差が認められなかった(95% CI: 0.79 to 1.17, P=0.69)。

この結果はこれまでの固定概念を覆すものではあったが、IABPが悪影響を及ぼすと行った結果は認められなかった。研究実施施設は治療実績が高いことを考慮しても、複合的な分析でもIABP群と対照群ではほぼ同じような転帰となった。

としても、慎重に判断する必要がある。現状での臨床ガイドラインでは、IABP後の転帰についてはまだ報告が少ない。この研究結果により当たり前に実施されていたIABPについての見直しが行われそうだ。

今回の研究は、IABPの効果のみならず、これまで標準とされてきた治療プロトコルを改めて見直す一例となるのではないかといわれている。

▼外部リンク

New England Journal of Medicine ; Intraaortic Balloon Support for Myocardial Infarction with Cardiogenic Shock
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1208410

New England Journal of Medicine ; Blog ; Shocking News
http://blogs.nejm.org/now/index.php/

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