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「ストラテラ」成人期のADHDへの適応承認.日本初

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2012年08月27日 PM05:00
8月24日発表

日本イーライリリー株式会社は日本で初めて、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療剤「ストラテラⓇ(以下、ストラテラ)」が成人期のAD/HDへの適応追加承認を取得したことを発表した。これによりAD/HDの中核症状を改善し、QOL向上にも貢献する治療選択肢が提供され、同日「ストラテラカプセル40mg」が発売された。

AD/HDは脳の機能的な障害が原因と考えられる発達障害の一つで、著しい不注意、多動性、衝動性といった中核症状が見られる。日本では成人期(18歳以上の)AD/HD患者に対する治療薬は承認されておらず、「ストラテラ」の適応も小児期(18歳未満、ただし一部患者で、18歳以降も継続して本剤による治療を継続することが可能)に限定されていた。

ストラテラはノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害する非中枢神経刺激薬で依存・乱用のリスクが低く、AD/HDの中核症状による仕事・学業・対人関係などを改善する。

日本では2009年6月に上市された。現在、小児期のAD/HDの適応として87の国または地域で承認され、成人のAD/HDへの適応は30の国または地域で承認されている。

ストラテラについて

【成人期AD/HDへの効果】
・ストラテラは、AD/HDの中核症状である、不注意、多動性、衝動性を改善する。

・ストラテラは日常生活での機能障害を改善する。

【成人期AD/HDへの安全性】
国際共同試験において、安全性評価対象例392例(日本人患者278例を含む)中315 例(80.4 %)に副作用が報告された。主な副作用は、悪心(46.9%)、食欲減退(20.9 %)、傾眠(16.6%)、口渇(13.8%)、頭痛(10.5% )であった。

【ストラテラの特徴】

・ AD/HD治療剤として世界初の非中枢神経刺激薬です。
・ AD/HDの中核症状である、不注意、多動性、衝動性を改善します。
・ ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで効果を発揮する薬剤で、従来のAD/HD治療剤とは異なる薬理作用、作用機序を示します。
・ 依存・乱用のリスクが低く、流通管理や医師の登録の必要がありません。
・ 投与開始2週目から症状改善が認められ、維持量(80 -120mg/日)に到達後4 週間で安定した効果が得られます。

(日本イーライリリー株式会社プレスリリースより引用)

AD/HDには、脳内、特に注意および行動制御の調節を行っているノルアドレナリンやドパミンなどのカテコールアミンが関与しているものと考えられている。「ストラテラ」は、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(NRI)。ノルアドレナリンの神経終末への再取り込み過程を選択的に阻害する。

日本イーライリリー株式会社は、AD/HDに関する情報提供のためのウェブサイトを開設している。

▼外部リンク

AD/HD情報サイト
https://www.adhd.co.jp/

日本イーライリリー株式会社プレスリリース
https://www.lilly.co.jp/pressrelease/2012/news_2012_120.aspx

ストラテラ添付文書
http://www.packageinsert.jp/search/1/ストラテラ

 

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