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網膜欠陥で完全に失明した人が視力を取り戻せる技術開発

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2012年08月03日 PM08:00
バイオ・インプラントの新技術「Bio-Retina」

世界中で、加齢黄斑変性に苦しむ年配者は何百万人にものぼるなど、網膜欠陥で失明の不安を抱えて生活をしている人は多い。

糖代謝異常に伴い網膜が変性を起こす糖尿病性網膜症などで視力を落としたり失明してしまう人も、年々増えている。そんな中、網膜の欠陥で完全に失明した患者でも、約576ピクセルの映像で視力が取り戻せる、バイオ・インプラント技術「Bio-Retina」が、ヨーロッパのNano Retina社によって開発された。

(画像:Nano Retina社ホームページより)

最初のバイオ・インプラント技術「Argus II」

でも実は、視力回復のための「バイオ・」技術の開発はこれが初めてではない。

Second Sight社の「Argus II」(11万5000ドル)という技術がすでに開発され、ヨーロッパで使われている。「Argus II」では、まず4時間の手術で眼球後部にアンテナを埋め込む。術後、患者はアンテナに信号を送るカメラが搭載された眼鏡をかける。

信号を受け取ったアンテナからは、網膜に60もの電極が配線されており、信号が網膜に伝わることで脳に60ピクセルの映像を映し出す仕組みだ。利用者は、おおざっぱな物の形や動きが見え、大きい文字であれば読めるようになったと語る。

低コスト化かつ質の向上を実現

一方、後発の「Bio-Retina」が注目を浴びる理由は、「Argus II」と比べて低コストを実現したにもかかわらず、映像の質や使い勝手が向上したこと。

値段は約6万ドルで、「Bio-Retina」を設置する手術は約30分。また、「Argus II」では眼鏡にカメラを搭載していたが、「Bio-Retina」では視力復元センサーが使用されるという。

映像の鮮度は、「Argus II」が60ピクセルだったのに対し、約10倍の576ピクセルだ。


(動画:Nano Retina – Sight restoration, produced by Virtual Point)

技術の実用化に期待が集まる

現在、「Bio-Retina」は動物実験を終えたところで、人体での実験は2013年にスタートするという。

人体での試験が成功して承認を受ければ、多くの人が視力回復を期待できるだけに、世界中から注目が集まっている。

▼外部リンク

Extreme Tech:The laser-powered bionic eye that gives 576-pixel grayscale vision to the blind
http://www.extremetech.com/extreme/

Nano Retina社ホームページ
http://nano-retina.com/

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