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協働する薬剤師として医師に期待したいこと

2017年11月22日

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出典:高山義浩先生のFacebookより(2017年11月13日投稿分)

 

先日、高山義浩先生が、SNSで大変示唆に富むご指摘をしてくださいました。沖縄県薬剤師会学術大会でご講演なさった際のスライドだそうです(編集部を通じて転載許可済みです)。大変な反響があるようで、それを眺めながら、いち薬剤師ではありますが、この話題になっているご提言に薬剤師の立場から反応し、発信していくべきではないかなと感じました。

主に処方箋のやりとりを想定した、保険医と保険薬剤師の関係性について言及されていますが、ルール内でのやりとりではよく仕事をやっている方の職種ではないかと思っております。私は元々製薬会社のMRで社会人をスタートさせていますので、医師と話をした時間の方が薬剤師よりも長いということもあり、医師との会話は日常性がありました。病院薬剤師もその点感覚は似ているかもしれません。分業によって失われた感覚というのが正にそこの部分で、そういった意味で高山先生が列記された薬剤師に対する期待とご指摘、仰る通りだと思います。

私自身も定期的に薬局にて調剤しておりますので、その実感から、高山先生のご指摘に補足させていただけたらと思います。まずは、例示なさった4、5について。

 

医療機関をさまよい歩く患者さんを知っています

→中でも特に「自分自身の見立て」に同調してくれる医師を探し当てるのは難しいのだろうな、と感じます。地域の医療資源を理解しているつもりではありますが、主に患者さん側の問題点というか、カウンターコミュニケーションではすぐに解決に結びつかない事例も多いですね。薬局だから何もできないとか見過ごしているということはなく、在宅患者だけでなく外来調剤の患者さんやご家族の方までもしっかりサポートしようと考えております。

医療への不安や不信、確かに拾っています

→主治医 処方医に対する不信がないような最大の配慮をしています。医療機関や医師の苦言もたくさん拝聴しますが、決して怒らず、無暗に同調せず、薬局でもやもやしたものを吐き出してスッキリしてもらってお帰り頂いております。
何よりも信じて頂きたいのは、医療機関や現代医療への不信感を増長させるような私達の発言が無いように努めていることであります。

 

分業開始時から幾度となく、薬剤師は調剤だけでなく適正な服薬、アドヒアランス、コンプライアンス実現への貢献、啓発、情報提供の役割があると言われ続けているわけですが、矛盾といいますか、これは薬剤師だけでは実現できないことも多いのです。そんな意味で「薬剤師から医師への期待」というのもあっていいのではないかと思ってまとめてみました。いかがでしょうか。もちろんこれは高山先生に対するものではなく、あるべき協働のかたちを共有するための、私なりのつたない見解です。

 

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協働する薬剤師として医師に期待すること


1 患者さんの提示するお薬手帳は一瞬でも目を通していただけましたら。そこに処方のヒントがございます。

2 筋違いや薬剤師の知識不足による「問い合わせ」はバッサリ切っていただいてください。ただし、薬剤師の職務に基づいた「疑義照会」に対しては是非応えていただけたら。

3 解釈が難しい「後発変更不可」の処方が多いように感じますので、その点について疑義照会でご説明いただけましたら。

4 継続している患者さんの処方提案に関しては、オンタイムな疑義照会のタイミングではなく、ICT等活用で次回診察前に完了させていければと存じます。

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考えてみれば「協働」ですから、そのための対話も協働に入るわけです。こうした意見交換が、現場でどんどんできるようになるといいのですが・・・

水八寿裕
ふくろうメディカル代表
薬剤師
東京理科大学薬学部
臨床准教授
プロフィール
1968年福島県郡山市生まれ。
高校卒業後家庭の事情等で医学部を目指すも学力不足により進学を断念。2浪の末1990年東京理科大学薬学部に入学。4年次に就活を試みるもバブル崩壊の影響で就活をストップし大学院へ進学(研究室に居残りという表現が正しい)。
なんとなく有機科学の薬学研究科修士修了。バブル崩壊の影響は2年後も続いており、渋い有機化学(当時はバイオ系が流行)専攻では製薬会社研究所の就職口が見つからずMRで就活すると一発で内定。武田薬品工業(株)にて10年MRとして勤務 その後薬剤師(薬局・大学病院・診療所)人材会社を経て現職。
*ふくろうメディカル:個人事業で医療関連の著作・研修資料作成などを行っています。