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Google Impact Challenge 最終報告会

2017年9月11日

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少し前になりましたが、2017年8月17日にGoogle日本オフィスにて、昨年に引き続きGoogle Impact Challengeの「最終報告会」が行なわれましたのでレポートいたします。授賞式から2年半あまり経ち、援助を得たプロジェクトそれぞれの現在の状況、これからの展望について報告し合う会です。マドレボニータも代表の吉岡マコさん始め関係者が参加しました。

今回は代表の吉岡さんご自身でのプレゼンテーション。最終報告会ということで、このプログラムの中で今後こうしたプレゼンテーションが行なわれる機会はないと思われますので、内容を全文採録致します。

 

こんにちは。マドレボニータです。

WomenWill賞をいただいてから、2年5カ月が経ちました。

受賞以来、私たちが取り組んできたことをご報告します。

出産、子育ては女性の問題とされがちですが、

その思い込みが母子を孤立させ、父親の機会を奪っている。

そこで私たちは、男女ともに産後の準備に取り組めるアプリ、

『ファミリースタート』を、つくりました。

産後ケアがない世界では、家族や職場にも、ネガティブなしわ寄せがいきます。

産後ケアが当たり前になれば、母子の孤立や夫婦の危機が予防できるようになります。

産後ケアのない世界から、あって当たり前の世界へ。そんな思いで、私たちは啓発や教室の展開に取り組んできましたが、同時に、自分たちの限界も感じていました。そんな時、Googleさんから『世界をよくするスピードをあげよう』という呼びかけがあり、私たちはテクノロジーを使って、これらの課題解決を加速する方法を提案しました。

こうして誕生したのが、カップルで産後に備えるスマホアプリです。

初めての出産は分からないことだらけ。

本当は、パートナーと共有したいのに、タイミングが難しい。

そんな悩みを解決するために、このアプリは女性向けにはしませんでした。

カップルに必要な準備が一目で分かります。

知るべき情報が多過ぎて見落としてしまう、そんな課題も解決します。

入力した予定日から逆算して、必要な時期に、必要な情報がスマホに届き、適切なタイミングで準備ができます。

母親だけで抱え込むのではなく、チームで子育てをする、そんな機運を高めます。

このアプリを開発するために、プロジェクトマネージャー、UXデザイナー、プログラマーによるチームが結成されました。リリースしたのはアプリだけではありません。教室への導線を整え、教室チケットをプレゼントするシステムもつくりました。アプリを紹介するイベントも12回行ないました。

こうした大きな新規事業を走らせるためには、他の事業とのバランスも難しく、組織の基盤づくりが早急に求められました。団体としても大きく成長するチャンスをいただいています。

こうして出来上がったアプリには、みんなで子育てをしようという価値観と、それを行動に移すためのしかけ、この両方が詰まっています。

人の価値観や行動が変化するのは、そう簡単なことではありません。そこにテクノロジーの力が貢献できるのではないか。タイムリーな情報共有、ジャンルが網羅されていること、情報の信頼性の高さ。これらのことをアナログで行なおうとすれば多大なコストがかかります。これまで自治体の保健センターや病院でやりきれなかったところも、低コストでカバーできるはずです。どの地域に住んでいても、適切な産後ケアに取り組める。みんなで子育てする環境を、自らの手で作れる。そんな道具を持ったいま、次の課題は、産後ケアを社会的なインフラにするということです。

このアプリはまだまだこれから広めていくフェーズです。これまで私たちの産後ケアは口コミで広がってきました。人のエネルギーは、社会を変える力があります。しかし、口コミには限界もあります。その情報を知った人と知らない人の間に格差が生まれてしまうからです。

私たちの次のチャレンジは、これまでの産後ケアの現場の知見と、このムーブメントの担い手であるたくさんの市民と、今回のアプリのようなツールを通じて、産後ケアのインフラづくりに貢献し、この格差をなくしていくことです。

Google Impact Challengeは、私たちをここまでのステージに押し上げてくれました。これからは、様々なステークホルダーとともに、産後ケアが当たり前の世界を実現していきたいと思います。

 

プレゼンテーション後の質疑応答でも、今後のマドレボニータの方針として、自治体との取り組みを強化していくことをあげていました。さまざまな領域でいま、地域におけるイノベーションの動きが盛んになりつつあります。こうしたマドレボニータの取り組みは、地域課題を解決するという意味で親和性も高く、求められるものだと思います。

授賞式後、こういったイベント以外でも様々な機会で交流をされていたこともあり、報告会の前も後も各団体の方が様々に歓談されておられ、イベントというより「同窓会」といったフレンドリーな雰囲気に溢れていました。非営利団体の社会への取り組みという共通項が、関わる人々すべてに「同志」という絆を与えているのだと感じました。今回のイベントで、Google Impact Challengeとしての組織的な取り組みは終了しますが、このプログラムが与えたインパクトは、各団体を通じて確実に影響を与え続けるでしょう。