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MRのスコープに患者目線を入れるには?

2017年9月7日

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MR-1コンテストという、製薬企業の医薬情報担当者がプレゼンや医師・薬剤師に対して行うロールプレイの技量を競い合う会があります。この会は今回で第3回目、去る2017年8月26日に、星薬科大学にて「人工知能に立ち向かえ!MR減少時代に生き残れるか」をテーマに実施されました。

実は4年前に行われた第1回のコンテストの際に審査員を務めていた縁もあって今回も半分参加者、半分裏方として参加しました。また現在4月からMR認定センターの継続教育検討委員会の外部委員も拝命しており、そこでのディスカッションのネタを仕入れるという意味合いもありました。

さて午前中の特別セミナーでは、東京医療センターの尾藤誠司先生に「医療専門職の職能とプロフェッショナリズム~その現在と未来~」をご講演いただき、その後に私も実行委員メンバーとのパネルディスカッションを行いました。

この尾藤先生は製薬企業MRとほとんど面会しない先生で有名なようです。

先生の外来では、患者・家族の問題をあえて解決しないで共に悩むという手法もとったりします。投薬なし、検査もしないという事例も多いので、MRとしては訪問の価値を考えるとスルーしてしまうのでしょうね。患者・家族にとっては重要な「価値」を共有できる数少ない先生だったりするので、処方にしか目が向いていないMRを非常に残念に思います。


午前の部シンポジストとトラブル時のバックアップとして用意された生Pepper(筆者)

午後からは予選を勝ち抜いたファイナリスト8名がプレゼン、ロープレ、それぞれ3分の持ち時間で競いました。今回の結果ですが以下の通りです。

<最高殊勲MR(MVMR)>
吉田真幸さん(武田薬品)

<準MVMR>
上杉航大さん(サノフィ)


<特別賞・優秀賞>

石丸健太郎さん(協和発酵キリン)

岩堀光利さん(サノフィ)

歌川毅さん(中外)

大谷麻衣さん(フェリング・ファーマ)

鈴木草介さん(大日本住友)

濱島知博さん(GSK)

他流試合を好まない保守的な業界の中で、これだけのチャレンジをしてきてくれたこのファイナリストの皆さんの心意気は素晴らしいものと感じます。

8名のロールプレイやプレゼンを拝見して感じたことをあげてみます。

・最近のMR専門が細分化されているので、平均的な課題だとしても医療者の質問に答えきれない

・普段自分の仕事の将来について社内でもディスカッションする機会がないので、地域包括ケアや人工知能など、最近の話題をプレゼンテーマとして取り込むことが難しい

・患者のためにという気持ちは時折見えるのですが、患者の立場を考えての行動ではなく自社の立場や業界の立ち位置というのが優先されてしまう傾向

もし番外編(コンテストは現役MRが条件なので)があれば、私もMRのOBとして(一応MR認定資格あり)OB大会で、現役のMR教育担当者と一戦交えてみたいなあと妄想しています。

水八寿裕
ふくろうメディカル代表
薬剤師
東京理科大学薬学部
臨床准教授
プロフィール
1968年福島県郡山市生まれ。
高校卒業後家庭の事情等で医学部を目指すも学力不足により進学を断念。2浪の末1990年東京理科大学薬学部に入学。4年次に就活を試みるもバブル崩壊の影響で就活をストップし大学院へ進学(研究室に居残りという表現が正しい)。
なんとなく有機科学の薬学研究科修士修了。バブル崩壊の影響は2年後も続いており、渋い有機化学(当時はバイオ系が流行)専攻では製薬会社研究所の就職口が見つからずMRで就活すると一発で内定。武田薬品工業(株)にて10年MRとして勤務 その後薬剤師(薬局・大学病院・診療所)人材会社を経て現職。
*ふくろうメディカル:個人事業で医療関連の著作・研修資料作成などを行っています。