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医療用医薬品のダークサイドを探る(前編)

2017年3月21日

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前編:ハーボニー問題

年初より、薬局の世界を賑わせている事件が「ハーボニー偽薬流通事件」です。

関西の薬局チェーン、関西メディコが現金問屋から購入した薬にサプリメントのようなものが代わりに入っていて、いつもの薬と違うことに気づいた患者が薬局に連絡をしたことで発覚。現在も原因について捜査中です。

[参考]【厚労省】「ハーボニー」に偽造品発覚-奈良県内の薬局チェーンで確認

[編集部補足]C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品について(第4報)

以前発覚した薬歴(くすりのカルテ)不記載事件に続き、薬局の信用をまたしても失墜させてしまうことが起きてしまったということで、厚労省や各業界団体も対応・対策に苦慮されていることと存じます。

ここで言う現金問屋というのは、医薬品の卸売販売業の許可はとっていますが、医薬品仕入れに関して不明瞭な点が多く(いわゆる横流し品など)、正直この手の会社と取引すること自体が、会社のイメージ棄損どころではない問題をはらんでいます。患者さんの不利益にも繋がるのではないかと思われる組織です。この闇は非常に深いと言わざるを得ません。

・薬局のチェーン化において経営収支を改善させるため、まさにダークサイドと言われている禁断の現金問屋に手を出した

・理由は不明ですが所属の業界団体が厳しい処分を保留した(関西メディコも被害者であることを考慮した?)

 

(以下は私の想像です)

・現金問屋からの購入において1錠5万円もする特別な薬剤なのに、薬局又は購入担当者が検品作業をあまりしていない

・管理薬剤師の役割など現金問屋・薬局チェーン双方において薬剤師の職業的自律性が感じられない

 

世界的にみれば日本は偽の医薬品が流通していない非常に珍しい国です。また国民皆保険で安心して医療を受けられるはずですが、一度このようなことが起きてしまった以上、再発防止の視点から、適正な流通体制の確保、医薬品の店舗間の小分けについても今以上のやりかたを試行していかねばなりません。

当然の話ですが、大規模災害時に現金問屋はまったく機能しません。私たちの役割は近隣の医療機関情報など地域の医療資源を把握している医薬品卸さんとしっかり連携していきながら、医薬品の流通を担うことであると考えています。みなさんいかがでしょうか?

(後編に続く)

水八寿裕
ふくろうメディカル代表
薬剤師
東京理科大学薬学部
臨床准教授
プロフィール
1968年福島県郡山市生まれ。
高校卒業後家庭の事情等で医学部を目指すも学力不足により進学を断念。2浪の末1990年東京理科大学薬学部に入学。4年次に就活を試みるもバブル崩壊の影響で就活をストップし大学院へ進学(研究室に居残りという表現が正しい)。
なんとなく有機科学の薬学研究科修士修了。バブル崩壊の影響は2年後も続いており、渋い有機化学(当時はバイオ系が流行)専攻では製薬会社研究所の就職口が見つからずMRで就活すると一発で内定。武田薬品工業(株)にて10年MRとして勤務 その後薬剤師(薬局・大学病院・診療所)人材会社を経て現職。
*ふくろうメディカル:個人事業で医療関連の著作・研修資料作成などを行っています。