医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

日本の少子化は止まらない、けれど

2016年12月28日

このエントリーをはてなブックマークに追加

2016年も最後になりました。オリンピックなど今年は大きな出来事が多かったような印象ですが、皆様の今年はいかがでしたでしょうか。

1年の最後に・・というわけではありませんが、12月22日に厚生労働省から人口動態統計の推計が出まして、ショッキングな数字が発表されました。

[外部リンク]厚生労働省 人口動態統計推計(2016年)

[クリックで拡大します]

これによると、2016年の出生数は981,000人と推計され、史上初の100万人割れとなった模様です。この数が少ないということにピンと来ない方もいらっしゃるかも知れません。私が講演の際、ときどき引き合いに出す「赤ちゃんがペットの数よりも少ない」という話をここでもしてみたいと思います。

[外部リンク]平成27年(2015年)全国犬猫飼育実態調査 結果

2016年初頭に発表された調査ですが、これによると日本でペットとして飼われている犬猫の合計は、1,979万頭強です。単純比較はできませんが、赤ちゃんだけでなく未就学児も含めた数と比較しても、犬猫のペットの方が数倍は多いわけです。

先日のコラムでも、周産期医療における日本の特殊性について書かせていただきましたが、こと日本においては子どもをめぐる統計には異常値が多過ぎると感じます。 少子化高齢化が原因とは言いませんが、昨今の社会現象で他人に厳しい、冷たい、妊婦さんや子連れ家族に厳しい意見が出るなどは、自分と関係がなかったり、周りにそのような方たちが少ないために起こってしまう言動ではないかと感じています。海外を旅行するとまず感じることは、子供達や将来の子供でもある赤ちゃんなどに皆がとても優しいということです。

子供たちは社会の未来を担ってくれる大切な宝でもあります。それを大事にする心は昔から不変のものでないでしょうか?果たして、今の日本が子供達に優しい社会といえるのでしょうか?

これから持続可能な社会、未来を感じる社会になるためには、未来そのものともいえる子どもの成育環境を抜きに語ることはできません。 2017年こそ、皆様と一緒に日本の未来、子ども達の未来を考えられる年にできたらと思います。

それでは皆様、良いお年をお迎えください。

宗田 聡
産婦人科医
プロフィール
茨城県出身。医師、医学博士。専門は、産婦人科医(周産期医療、出生前診断、胎児医学、遺伝医学、メンタルヘルス、医療倫理、プライマリケア、医療IT、女性医学)。日本産科婦人科学会認定医・指導医、臨床遺伝学認定医・指導医、認定産業医・スポーツ医、アメリカ人類遺伝学会(ACMG)上級会員(Fellow)
 母校の大学病院で講師として臨床医療・教育・研究に関わり、留学後に幅広い医療、特に女性の心とカラダの健康を総合的にサポートする医療を理想として、地域周産期センター長を歴任後、都内で都市型かかりつけ医のクリニックを開業。
 日英論文多数、専門書(翻訳)執筆にも定評があり、一般誌でも「Anecan」など様々な雑誌で女性の健康に関する記事を多数執筆。著書には、「産後ママの心と体をケアする本」「産後うつ病ガイドブック」「ニューイングランド周産期マニュアル第二版」など。