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「セルフメディケーション税制」をどう活かすか

2016年12月16日

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ご存知の方も多いと存じますが、2017年1月1日より、スイッチOTCをさらに普及させるためのいわゆる「セルフメディケーション税制」が始まります。

[外部リンク]セルフメディケーション税制について(厚生労働省)

適用するには以下の要件が必要です。

 

1) OTC医薬品の中でスイッチOTCと言われている82成分(平成27年12月1日時点:リストは2カ月ごとに更新予定)を年間1万2千円以上購入した(扶養家族分を含む)。
2)申告者が申告対象の1年間に健康診断などを受けた証明がある
(特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診断、がん検診)
3)所得税、住民税を納付している

 

医療費控除と同時に適用できません

この制度は従来の医療費控除の特例という扱いであり、よって同時に2つの控除を申告することはできません。利用者にとってどちらの申告をした方がより特になるのか、ということも情報提供した方がいいのではと思います(もちろんそのような役割は薬剤師の本分ではありませんが…)
具体的には、こういう基準です。

 

イ 2017年からの1年間に対象のOTC医薬品を1万2千円以上購入している
ロ 従来の医療費控除の対象金額(控除前)が10万円より少ない

 

以上2点をどちらも満たす場合には、セルフメディケーション税制の選択をおすすめしてみましょう。
どちらかわからないという方もいらっしゃると思います。そういった方には2018年になったら薬局へご相談ください、とお声がけしておくのも、寄っていただくきっかけづくりとしてはいいのかもしれません(余計な仕事を…という誰かの声が聞こえる気がします)。
こちらも余計な仕事ですが、具体的な計算例を挙げるとこんな感じです(当然ですが、これをこのまま使わないようにお願いします)

課税所得400万円のAさんが、2017年の1年間3万円分の対象OTC医薬品を購入
→購入額(3万円)―下限額(1万2千円)=1万8千円の控除

減税効果は

所得税:控除額1万8千円×所得税率20%=3600円
個人住民税:控除額1万8千円×住民税率10%=1800円
合計5400円の減税効果が得られます。

セフルメディケーション税制計算事例
なお個別の計算については、こちらのページでできますのでご紹介するのもいいかもしれません。

[外部リンク]知ってトクするセルフメディケーション税制(日本一般用医薬品連合会)

また普通の方は、対象となるOTCなのか否かもすぐは分からないと思います。薬局で相談してから購入するといいですよとお声がけするなど、かかりつけ薬剤師が普段から相談されやすい状況を作っておく、ということも大切かと思います。

 

水八寿裕
ふくろうメディカル代表
薬剤師
東京理科大学薬学部
臨床准教授
プロフィール
1968年福島県郡山市生まれ。
高校卒業後家庭の事情等で医学部を目指すも学力不足により進学を断念。2浪の末1990年東京理科大学薬学部に入学。4年次に就活を試みるもバブル崩壊の影響で就活をストップし大学院へ進学(研究室に居残りという表現が正しい)。
なんとなく有機科学の薬学研究科修士修了。バブル崩壊の影響は2年後も続いており、渋い有機化学(当時はバイオ系が流行)専攻では製薬会社研究所の就職口が見つからずMRで就活すると一発で内定。武田薬品工業(株)にて10年MRとして勤務 その後薬剤師(薬局・大学病院・診療所)人材会社を経て現職。
*ふくろうメディカル:個人事業で医療関連の著作・研修資料作成などを行っています。