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子どもを持つということ(1)日本のセックスレスの驚くべき実態

2012年11月22日

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年の瀬の衆議院解散総選挙が決まり、今後の日本の政局が大きく変わるのかどうか、とても大事な時期ですね。選挙といえば…というわけではないですが、少子化問題が騒がれはじめてからずいぶんと経ちます。果たして、日本の子供の数は増えていくのでしょうか?

コンドームメーカー「Durex(デュレックス)」による、世界26ヵ国・2万6000人のセックス・ライフについて尋ねたオンライン調査の結果で面白いことが見えてきます。
この調査によると、全調査対象国26ヶ国の世界平均セックス回数は年間103回(約3.5日に1回)。1位のギリシャは164回、つまり週に約3.2回です。そして日本はどうかとみると、26ヵ国中最下位の年間48回。1年に48回というと、月に4回、つまり週1回以下という計算になります。

ちなみに日本の厚生労働科学研究班の一環として実施されている「男女の生活と意識に関する調査」というものの結果も似たようなことが見えてきます。平成22年度の第5回調査では、1ヵ月間のセックスの回数は、「1回」15.1%、「2回」11.1%、「3回」8.2%、「4回」6.9%、「5回以上」8.7%という結果。
さらに、「この1ヵ月間は、セックスをしなかった」は45.3%で、既婚者に限った場合でも40.8%。半分近くの人が結婚していてもセックスをしていない!ということです。

最近、全国の25歳から34歳までの独身男性に行った「交際経験と結婚願望に関する意識調査」では、「1度も性経験がない」との回答した男性が29.6%もいたとのこと。これは、独身男性の3人に1人がセックス経験ナシということになります。もはや、草食系男子どころか絶食系男子とも呼ばれているそうです。

こんな日本のセックス事情で、果たして子どもが今後増えていくのでしょうか?
最近の外来でも、「子どもができないので、不妊治療を希望します」と来院された方で、そもそも夫婦生活自体が行なわれていない!というケースも、一つや二つではなく、増えてきています。旦那さんがセックスしたがらない、しない、バーチャル(漫画やDVDなど)ならマスターベーションできるが奥さんだと出来ない!?など、一昔前とはちがう原因も見え隠れしています。

一方で、女性の高年齢化。30代で未婚、子どもを産んでいない女性が半数となっている現状、さらにここ数年は30代どころか40代でこれから子どもを考えている、と相談に来る方も非常に目立ってきました。妊娠することも大変ですが、妊娠しても初期の流産が多くなることや、お腹の赤ちゃんに染色体異常などあるのかないのか心配で検査をどうしようかと悩んでいる夫婦も増えてきました。

妊娠するための技術と情報だけがどんどん先に進み、私たちはそれをどう捉えたらいいのか戸惑い、追いつけてないように思えます。子どもを持つということに対して、私たちはどう対応して動いていけばいいのでしょうか?
しばらくは、このテーマで何回か書かせていただき、皆さんと一緒に考えていきたいと思っております。よろしくお願い致します。

宗田 聡
産婦人科医
プロフィール
茨城県出身。医師、医学博士。専門は、産婦人科医(周産期医療、出生前診断、胎児医学、遺伝医学、メンタルヘルス、医療倫理、プライマリケア、医療IT、女性医学)。日本産科婦人科学会認定医・指導医、臨床遺伝学認定医・指導医、認定産業医・スポーツ医、アメリカ人類遺伝学会(ACMG)上級会員(Fellow)
 母校の大学病院で講師として臨床医療・教育・研究に関わり、留学後に幅広い医療、特に女性の心とカラダの健康を総合的にサポートする医療を理想として、地域周産期センター長を歴任後、都内で都市型かかりつけ医のクリニックを開業。
 日英論文多数、専門書(翻訳)執筆にも定評があり、一般誌でも「Anecan」など様々な雑誌で女性の健康に関する記事を多数執筆。著書には、「産後ママの心と体をケアする本」「産後うつ病ガイドブック」「ニューイングランド周産期マニュアル第二版」など。