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緊急アピール:『最後のお願い』

2012年8月31日

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次のコラムは別の内容を考えていましたが、先日ご紹介したお話が急を要する事態になりつつあるので、もう一度、お話することにしたいと思います。

(画像は、8月30日付けの南相馬市の放射線モニタリングの報告書類から。南相馬市では毎日、測定結果をこちらで公開しています)

先日の私のコラムでは、南相馬市立総合病院で支援医師として勤務しておられる阿部宏先生の訴えとともに、彼の支援を受けながら、病をおして必死に地域医療を守っておられる原町中央産婦人科医院の高橋亨平先生のことも書かせていただきました。阿部先生は南相馬出身であり、地域を守るというなみなみならぬ想いとともに、ほとんど休みもとらずぶっつづけで診療にあたっておられます。そして高橋先生は、(もうご自身が仰っているので書いてしまいます)がんに冒された体にむちうって、放射線治療を受けながら、大げさでなく命を削るような決意で活動を続けていらっしゃいます。南相馬の地域医療、特に産科医療は、このたった2人の双肩に重く、重くのしかかっています。

従前から、私立総合病院、原町中央産婦人科医院ともに支援医師(後継医師)を募集していますが、現在まで応募者はいらっしゃいません。この状況がずっと続いているのです。高橋先生は医院のWebサイトに、自分の状況などをときどき載せてくださるのですが、お盆前に掲載された近況は本当に悲壮なものでした。

 

『私の体の現状と医師募集のお願い』

 

私ごときの軽々しい言葉などいらないと思いますが、滔々とお体のことをご報告なさった上で、『最後のお願い』と、仰っておられます。

この意味は本当に重い。

医療従事者すべてが、この要請に応えられるか真摯に向き合うべきと思い、もう一度ご紹介します。

(参考:医療ガバナンス学会のメールマガジンですが、ちょうど南相馬市立総合病院へ研修にいった医師の報告です。状況がよく分かると思います)

http://medg.jp/mt/2012/08/vol579.html

関連ニュース:南相馬市 自らも癌。命を懸けて患者を助ける産婦人科医の最後の依頼
http://www.qlifepro.com/news/20120830/minamisma-fukushima-also-cancer-the-last-request-of-obstetrician-who-risked-her-life-to-help-patients.html 

宗田 聡
産婦人科医
プロフィール
茨城県出身。医師、医学博士。専門は、産婦人科医(周産期医療、出生前診断、胎児医学、遺伝医学、メンタルヘルス、医療倫理、プライマリケア、医療IT、女性医学)。日本産科婦人科学会認定医・指導医、臨床遺伝学認定医・指導医、認定産業医・スポーツ医、アメリカ人類遺伝学会(ACMG)上級会員(Fellow)
 母校の大学病院で講師として臨床医療・教育・研究に関わり、留学後に幅広い医療、特に女性の心とカラダの健康を総合的にサポートする医療を理想として、地域周産期センター長を歴任後、都内で都市型かかりつけ医のクリニックを開業。
 日英論文多数、専門書(翻訳)執筆にも定評があり、一般誌でも「Anecan」など様々な雑誌で女性の健康に関する記事を多数執筆。著書には、「産後ママの心と体をケアする本」「産後うつ病ガイドブック」「ニューイングランド周産期マニュアル第二版」など。